IRria — 日経225 IRコミュニケーション解剖
「良いコピー」は、株価を上げる のか?
日経225・全社205社の統合報告書を精読し、トップメッセージの「コピー強度」を0–15点で採点。5年の株価リターンと突き合わせた。答えは——業種による 。
−0.02
全社の相関 r
205社全体ではコピー強度と株価はほぼ無相関
+0.53
効く業種(輸送用機器)
自動車では言葉が株価に出やすい
−0.76
効かない業種(電力・ガス)
構造問題は言葉で救えない
The Core Finding
全体では「相関なし」。だが業種で割ると、現れる。
パイロット19社では r=0.40(言葉が効く)と読めた。しかし日経225全社(n=199)で測り直すと相関は消える。これはサンプリングバイアスだった。ところが業種別に割ると、相関は消えていなかった——+方向にも−方向にも、はっきり分かれて現れる。
なぜ「効く」業種があるのか
輸送用機器(r=+0.53)・銀行(+0.45)・保険(+0.41)。製品で差別化しにくい、あるいは資本市場との対話が直接株価に効く業種では、経営者の言葉そのものが投資判断のてこになる。
なぜ「効かない」業種があるのか
電力・ガス(r=−0.76)・医薬品(−0.74)・サービス(−0.71)。廃炉コスト・パイプライン枯渇・コロナ恩恵の剥落といった構造問題 を抱える業種では、どれだけ優れたコピーを書いても株価は動かない。「効かない」の正体は構造問題である。
Industry Map
業種別 コピー強度 × 5年株価 の相関
各業種で「コピー強度(0–15)」と「5年トータルリターン」の相関係数 r を算出。右(緑)ほど言葉が効き、左(赤)ほど効かない。サンプル数 n が小さい業種は確度が下がる点に注意。
r > 0 コピーが強い会社ほど株価も高い傾向
r < 0 逆相関(構造問題が支配的)
n≥8 参考可
4≤n<8 低信頼
Company Explorer
205社を、ひとつずつ読む
各社のコピー強度・代表フレーズ・株価、そして「研ぎ直し」のbefore→afterを収録。カードをクリックすると詳細とソースが開きます。
全業種
コピー強度 高い順
コピー強度 低い順
5年株価 高い順
5年株価 低い順
社名順
該当する企業がありません。
Methodology & Confidence
方法論と、データの確度
本サイトのデータは「実測データ」と「AIによる定性採点」の2種類で構成されています。確度を明示し、参考値はそのまま確定情報として扱わないことを原則とします。
① コピー強度(0–15点) AI採点
各社の最新統合報告書のトップメッセージを精読し、5次元で採点(各0–3点)。
具体性 — その会社固有の事実・数字に立つか
自分の言葉 — 借り物でない固有の語彙か
緊張・正直さ — 失敗や賭けを語り切るか
記憶性 — 一度で覚えられるか
視点 — 明確な立場を言い切るか
※ AIによる定性評価のため主観性を含みます。参考値としてご覧ください。
② 株価リターン 実データ
Yahoo Finance(v8 chart API)から取得した実際の市場価格。期間は 2021-06-03 〜 2026-06-03 の5年(3年・1年も併記)。トータルリターン(配当除く価格変化率)。
実データ市場price・統合報告書の実在記述など、一次情報に基づく事実。
AI採点Claudeによる定性評価・コピーの研ぎ直し案。参考値。
低信頼サンプル数が少なく統計的信頼性が低い(業種別 n<8 など)。
⚠ 解釈上の留意点
① 相関は因果ではありません 。「コピーが強いから株価が上がった」とは断定できません。② 業種別 r は n=4〜26 と幅があり、n が小さい業種の数値は揺らぎます。③ コピー強度はAIの定性採点であり、評価者により変動し得ます。本データは「投資家に効く伝え方」を考える出発点であり、投資助言ではありません。